『ラッシュライフ』を読む
おなじみ、伊坂さんです。こういう、点と点を交差した線で結ぶような書き方はすごいなーと思う。時間軸のトリックとか,想像もつかない。
作品を書いている時の作家さんの頭は,物事を遠くから俯瞰して,それをどんな風にくみ上げれば読者に「あっ」と言わせられるか,まるで楽しんでいるような、神のごとき視点をもつと思える。・・・とかは、言い過ぎですかね?
あまり詳しく語れば語るほど、まだ読んでいない方を興ざめさせそうなので控えますが、それでも、他の伊坂さんの作品で出てくるキャラクタがコアな部分で関わっていたり、ファンには「おっ」と思わせる仕掛けだったりして楽しそうですね。
私はまだ多くを読んでいないし、前に読んだものを引っ張りだしてまで、ああこのシーンがここにね、とか深い読み方をしていないのですが、そういうことにもつながるところは一種戦略的なのかもしれません。
最後のわんこが絡むシーンが痛快でした。
神様、というか、そのひとの生き方や心情を貫くよすがとなるものとは、他者や事物を通してやはりその人の中にこそあるものと考えさせられました。良いとか悪いではなく、ただただ「異なる」ものなのだと。
良い作品でした。ご一読あれ。
Monthly 2009.10
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