『レインツリーの国』を読む

なんか、大事やなあと思う本になりそうです。
でも、1章半ばであたしは気がついたぜ。いや、本当に。・・・や、本当言うとエレベーターのちょい手前あたりやったけど。そう言うところが「上手いなあ」と思うんですよ。
えーっと、有川浩さんです。
図書館戦争(でも、マンガの方)から読み始めて、『空の中』を読んでほー、と思って、本書を読んで唸りました。すごいなーって。
えー、以下、ネタバレも含みますので続きで。あ、本書を読んでない方は、どうぞ今回は、読んでから続きを読んでくださいね。

ライトノベル、ちょうど思春期まっただ中のころに読むから、ものすごく影響受けるんですよね。あたしが、そんな頃読んでいたのは、ほんとファンタジーばっかり、しかもうーん、上げてみますか。中学高校の頃読んでいたものと言えば(順不同)「創竜伝」「銀河英雄伝説」「スレイヤーズ」「デルフィニア戦記」「アルスラーン戦記」「封神演義」・・・あれ、以外と出て来ないな、オーフェンとかも読んでたか(タイトル思い出せない)しかも、5割田中芳樹さん(笑)。え、ライトノベルじゃない???
違うくて、それは伏線ですから、うん。
初め、メールで、こんこんとライトノベルの主人公たちに対する二人の感想が交わされて、それが全部、その後の展開をかいつまんだものになっていて、という造りにほー、と思う。それを読むことで二人の考え方の違いも浮き彫りにする。すごい「図ってるな」って思った。あたしはそういう「図ってる」ものが好きだ。デザインとかなんでもそう。
髪を切ろうと決めたひとみが好きです。
なんか、人間てめんどくさい生き物だなあ、と。プライドとか、コンプレックスとか、そう言うストレスになる感情なんかどうして生み出して、しかも大事に大事に抱えてるんだろう。これらもひとつの自己防衛なのか、あるいは失ってはならない攻撃性なのか。や、本書ではそう言うことを取り上げてるわけじゃないけど、今ちょっと思っただけ。
「聞こえない」と言うことからのハンデ、それに関わらず元々の「めんどくさい性格」とかそれらとの折り合いとか、ちょうどひとみが自分と同じくらいの年と言うせいもあるのか、私自身「めんどくさい人間」であるからか、とても痛いなあ、と思うシーンがいくつもあった。それでも気持ちよく読後いられたのは、ひとみが髪をかきあげたところにあったかも知れない。
行動として、とても些細なこと、でもしかし、決定的に大きな心境の変化。
強い人は傷を無理に隠そうとはしない、それに触れられたって平気だから。弱いあたしは自分の瑕疵をどんなとるに足らなくても必至で隠すけど、隠す努力よりも受け入れて改善する努力の方が美しいと、いうこと。見た目にも、精神的にも。
結局、彼女が前を向いてハッピーエンド、で、良かったー。
もう一回自分と話すことが必要になったとき、多分何度も読み返すと思います。

Monthly 2009.09

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