ADCの話

金曜日はADCのセミナーでした。これに参加するのは2回目。
今回の講師は澁谷克彦さん。
前日に会社に届いた『デザインノート』で宝塚の劇場の緞帳をデザインした話題で載っていた。ちょこっと歴代の作品も載っていてフムフムと。何となく、クールで都会的で白黒はっきりしてて厳しそうな人をイメージ。
仕事が片付かなくてわたわたしながら市民プラザへ。
開始時間直前で、会場は出入り口に人がいっぱい。流れないなあ、と思っていると、隣を会長が通り過ぎ、その後ろを澁谷さんがふつーに通って行かれて、思わず二度見しました。ビックリシタヨ。

セミナーの内容をメモしたノートを会社においてきたので、ここは覚えている事だけ書いておこうかと。
セミナー冒頭、澁谷さんが初めて来た富山の印象を話された。
・飛行機からみた立山の稜線が美しかった事
・お昼に食べたお寿司がおいしかった事
高い山に囲まれ深い海がある、そう言う風土でできるデザインはどういうものだろうか。あたたかみのある、手仕事を大事にするデザインとその印象を語っておられた。対して都会のデザインは良くも悪くもエッジが立っていると。
外から見た時の富山の印象についての言葉がとても気にかかる。自分が他人からどう思われているか、時々すごく神経質に気になるのと似ている。
「ビジュアルという言葉、言葉というビジュアル』と題うって始まった講演はとてもすばらしいものでした。来場者に隠されたテーマをビジュアルに表してもらい、それをクイズ形式で当てる。「牛」を思い思いにビジュアルで表現してもらい、一番印象に残ったものは何か答えてもらう。前半の一時間は参加型でとても引き込まれた。
「百聞は一見にしかず」とはこのこと。ビジュアルで正確にかつ面白く相手に何かを伝える事はとても難しい。(それを参加型の演習をとおして一発で理解させるというアイデアが秀逸)
ポイントは「これだ!」と思う重要なもの(一番伝えたいもの)にいかに見る人の視線を導くか。そして、相手と自分の「共通認識」を探してそれを利用する事。
この共通認識っていうのがまず難しいなあ、と思ったけど激しく脱線しそうなので後ほど。
後半は澁谷さんの作品をスライドで見ながらお話を聞く形に。世に出た作品だけでなく、ご自身の「年賀状」を披露して下さった。どんな年賀状よりも人の記憶に残るものを作るを目標にアイデアを探し(その年ごとに年末が近づくと来年の干支の動物を探してアイデアをひねり出す様子を「ウシはいね〜が〜」となまはげに例えたのが、ちょっとした事だけども、その様子がよく伝わるなー+面白いなー、で感じ入っていた私)、2色印刷で年賀はがきにされるそうだ。(講義の後実物を頂いた。嬉しい。)
面白がって仕事をしたいなーと思う。最近「つまらない」と思う事が多いので。
澁谷さんの作品を作る背景を伺っていてふと似ているなあ、と思ったのが(失礼かな)子供がよくやる「自分ルール」遊び。学校の帰り道とかに「今日は影の部分だけ踏んで帰る!」とか「この小石をずっと蹴り続けて帰る!」とかそういうの。ああいう感覚って、何かを楽しむには大事な感覚な気がする。途中で投げ出さなければ、だけど。
その後、資生堂のお話ももちろんされて、充実の2時間ちょいでございました。
さらに懇親会で「深イイ〜」お話をたくさん聞かせていただいたのですが、それはまた後ほど。

Monthly 2008.10

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