『となりの姉妹』を読む
著者の新境地を拓く長編小説。・・・との謳い文句に弾かれて買ったわけではないけれど。久しぶりに文庫を見つけたので手に取った。そう言えば随分久しぶりだ。読みのがしている作品も多いかもしれない。
さて。
物語を読むのは久しぶりだったから、それだけでも新鮮だったのだけど。長野さんの作品には「少年」のイメージが強かったから、主人公が大人の女性だったことにちょっと驚きだった。
物語の中に、いくつもその土地の習俗や家々の人々の些細な掟がかいま見れて、そのすべてが繋がって行く感じ。
古い習わしとか言い伝えみたいなものが好きなので、へーとかほーとか思ってみた。
無くなった人が残した奇妙な暗号、しりとりで繋がっていく符号、それを解き明かす過程もなんだかとても呪術的なのだけど、最後には日常と人々の中に溶けていく。兄貴がとってもいい味出してますね。まあキーパーソンなのですが。
日常の細かい描写にちょっと打たれるものもありました。読みどころがちりばめられている。そんな一冊でした。
Monthly 2011.09
←Q. 社会人になりたての頃のエピソードなどを聞かせてください|読書メモ
|今更地デジ化→
↑Page top|
Blog top|アーカイブ