『武士道シックスティーン』を読む

主人公は二人の女の子、かたや宮本武蔵オタクの熱血系、もう一人は勝負事が苦手な不動心の使い手、剣道少女のお話です。
ざっくり言えば動と静、なんちゅうか向きは両極端な感じの主人公二人。
性格足して2で割ればちょうどか、ああでもそしたら普通の女の子二人になるだけか、と思っていたら、物語の後半に差し掛かるところで顧問の先生と主人公(後者)が同じような会話をしていて、ふいた。

考え方の違いは、二人の間を始めっからズレさせていて、あーら、どうなっちゃうかね?と思っていたが、両方が少しずつ変化することで、ぴったりはまる形になっている。違う方を向きながら、けれど同じ根っこを抱えているような、そんな印象。章が「好敵手」で結ばれているのが印象的だ。
お互いの違うところを、足りないところを並べ立てて不満に思ったり、また自分の内面を見つめ直したり。もやもやした答えを手にして前に進む。
結局は剣道が好き、だから続ける、みたいなマトメになっているのは、うーん、安直?と思いながら、でも結局、何かを続ける時に軸になるのは、そこなんだろうなー。
やらないで後悔するよりも、やって後悔する方が良い、みたいな。心が折れることを怖がるんじゃなく、それでも続けて行ける気持ちを持っていよう、みたいな。それって何にでも通じる、気がする。部活とかだけじゃなく、仕事とか、あるいは恋愛にも。きれいにまとまっていて、そうかそうか、な終わり方ですが、迷うとき、心が折れそうなとき、読んでみるのもいかがでしょーか。

Monthly 2010.05

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