時間のこと

人間の体内時間は約25時間だそうです。一日の長さが24時間だから、1時間多いですね。このずれは大きい。ヒトはこの1時間のずれを日々修正しながら生活している。
太陽の光を浴びて、「朝だぞー」っていう意識を体に叩き込んで修正しているとも聞いたことがあるような。
興味深いなあ、と思ったのが、月の一日の周期(月の出から次の月の出までの時間)は24.8時間。体内時計はむしろ、太陽よりも月に近いのかな。
体内時計が約25時間であるという実験は遮光された空間の中で人が生活して周期を調べると言ったものだったそう。
太陽はおろか月も見えない。
人間の体内時間は月の時間に合っていた!とは言えないんですが。
でも、不思議なもんですね。
ヒトが誕生して200万年、進化の過程で太陽の一日の周期に体内時間を完全に合わせてしまうことは出来なかったんでしょうか?ぴったり24時間になっていないことの方に何か理由があるんでしょうか?
月の影響よりも、太陽の影響の方が、生活に及ぼすウェイトは大きい気がするのですが。

今でこそ日本は太陽暦の社会ですが、昔は太陰暦、月を基準にした暦を使っていました。
今でも残る年中行事も、明治より前からあったものは、おそらくそのほとんどが太陰暦を基準とした「日付」です。例えば七夕は7月7日、ですが、太陰暦ではだいたい太陽暦よりも1ヶ月遅いんです。8月の7日あたりに七夕が行われる地域があるのは太陰暦の日付を基準にしているから、なんだそうで。
太陽暦で「閏年」というのがあります。グレゴリオ暦で一年は365.2425日、小数点以下の「日」を合わせるために4年に一度、一年365日にプラス1日をつけて、つじつまを合わせるわけですな。
太陰暦では(正確には太陰太陽暦と言うそうですが)一年は354日。ありゃ短い。これだとどんどん季節がずれていってしまうので、3年に一度閏月をもうけるそうです。一年が13ヶ月。閏月はそれが挿入される時期によって「閏四月」とかになるそうな。
そういえば、2005年に「閏秒」というのがあったのを覚えてますか?ちょこっとニュースなどで話題になりました。2005年の12月31日が1秒多いというやつです。
原子時計と地球の公転や時点など、なんかいろいろなものと齟齬が生じないように調節するための「閏秒」だったそうですが。1972年に初めて閏秒の挿入が始まり、過去23回行われていたそうです。知らんかったよ。

ところで、一秒ってどれぐらいの長さでしょうか?いろいろ紆余曲折あったようですが、現在の定義は、「セシウム133(133Cs)の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍に等しい時間」だ、そうです。さっぱりわかりませんが。それまではある年を基準にしてその1年の長さの何分の一!とかいう定義の仕方だったようです。(はしょり過ぎか)。
とにかく、何が言いたいかというと、今は「1秒」が定義によって「不変」のものとなったということ。
江戸時代では時刻は日の出から日の入りまでを6等分、日の入りから日の出までを6等分、というように時期によって時刻が異なる「不定時法」を使っていた。草木も眠る丑三つ時、あれも季節によって違っていたわけで。夏は昼間の時間が長く、冬は短い。
一時間の1/60が一分でその1/60が1秒という感覚はなかったのだろうが、ただ、逆に時間はそう言うものだと、捉えられてしまってないかな、と自分に問いかけたりしてみたり。

Monthly 2008.05

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